不動産の登記

こういう時間を…

仕事を家庭に持ち込むか…,

アイロンを事務所に持ち込むか…,

スーツ姿で,アイロンとアイロン台を事務所に持ち込むなんて…何やってんだよ,ってツッコミ入れられそう。

近所の人に見られたら,あら?矢島さんのご主人じゃない?
アイロンなんて持って,もしかして…なんて,あらぬ噂をたてられてしまうかも。

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つまらぬこと

お昼過ぎ,金消立会のために金融機関へ。

金消(住宅ローンなどの借入に際し,借入申込者や担保提供者が,金融機関や保険会社から様々な書類の説明を受けて署名捺印したり,印鑑証明書や住民票を提出したり,登記手続の必要書類を預かったりして,融資実行前に行う事務手続の俗称。)は時間を要するため,建設会社担当者と金融機関担当者には,時間を遅らせて伺う旨を伝えておいた。
40分程遅れて到着。

今回の住宅ローンに関する渉外担当行員と名刺交換し,エレベーターで応接スペースのある階へ。
複数ある応接室のうちの一つは,ドアが開けられたままで,建築主(=住宅ローン借入申込者),建設会社担当者,金融機関の金消事務手続担当者(実際には金融機関の代理業者という関連別会社の社員)が,多くの書類を前に雑談していた。

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千葉県へ

夏風邪をひく前の話ですが,土地の贈与による所有権移転登記手続のため,千葉県へ行って来ました。物件所在地は埼玉県なんですが,贈与者のおばあちゃんが千葉県在住のため,お会いしに行ったのです。

千葉県と言っても広いですからねぇ。
道に迷うかもしれないこと,週末で渋滞が考えられること,贈与者のお宅が最寄り駅から近いこと,時間を取れずに放ってあった資料を読めること,ガソリンが高騰していること(笑),などの理由から,電車で行くことにしました。
上尾から上野,秋葉原,千葉と来て,乗り換えると車内はガラガラ。

車窓から田園地帯を眺めていると,思わず“車内販売が来ないかな~”なんて。さすがに車内販売は来ませんでしたが,そんな私を見透かしたように,悪友から「こんな日はビールがうまいにちがいない。」という独り言メールが来ました。

贈与者のおばあちゃんは,ご高齢にもかかわらず,背筋はシャキッ,私の説明も理解され,逆に税金や登記手続の質問をされてきました。贈与契約書,委任状への署名捺印もしっかりされていて,捺印は私より上手かも。
お茶と羊羹とチョコをいただき,仕事以外の雑談で長居してしまいました。ごちそうさまでした。

受贈者のお子さん(といっても私より年長者の方ですが)からは,「HP(ブログもかな?)拝見しました。マラソンやられるんですね。」と言われたのですが,喜多(北)マラソンのリタイア後だっただけに,何となく嬉しいやら,恥ずかしいやら。

1時間半ほどで失礼して,学校帰りの高校生で賑やかな電車に乗りました。一仕事終えた安堵感と暑さからか,ちょっと疲れた埼玉県への帰り道は,行きよりも長く感じられました。

その晩,悪友と“うまいビール”を飲んだのは,言うまでもありません。

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大森

土地の共有物分割登記手続のため

大森へ行く。

3名共有地を2筆に分筆し,1名単独所有地と2名共有地にする

簡易な共有物分割である。

3名の当事者は,皆さん協力的で

必要書類の確認と,共有物分割協議書及び委任状への署名捺印も無事終了。

お茶と十円まんじゅうをご馳走になる。

大森は

たった1年のサラリーマン時代に

新人研修で通った街だ。

典型的な五月病で(笑),毎朝憂鬱だったな。

でも,同期の仲間は面白い奴らばかりで

奴らのお陰で通うことができた気がする。

今はもう

新人研修に通った工場はない。

今は,跡地にはスーパーマーケットが建っているとのこと。

新人のまま

私のサラリーマン時代は終わっている。

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お断りした事件

以前の話になるが,売買の売主さんに会いに,遠方の病院へ出かけた。

前年からの依頼であったが,境界の問題で決済が延びていた。

依頼を受けた時点で,売主さんが入院されていることは聞いていた。

決済直前に面談をしようと考え,まずは売主さんの代理人となっていたお子さんや,その兄弟姉妹から,売主さんの様子を聞いておこうと考えた。

入院の経緯,本件売買の経緯,売買金額,代金の使途など,いずれも問題は無かった。みなさんが協力的だった。

決済日が決まり,いよいよ事前面談の日となった。病院に到着し,代理人となっていたお子さんとともに,病室へ。

売主さんは病室にはおらず,散歩に出て行ったようだ。病室のネームプレートを確認。看護師さんが,売主さんの苗字を呼びながら探しに行ってくれた。

ようやく見つかり,陽のよくあたる面談スペースで話し始めた。ご高齢なのに耳は遠くないし,世間話のやり取りには問題ない。本件売買の件も分かっていて(といっても「誰かに売る」ということだけのようだが),「よろしくお願いします。」と深々とお辞儀された。

それとなく,「ちょっと簡単なゲームをしましょう。」と,長谷川式知能評価スケールを始めた。第1問の「年齢」。2年までの誤差は正解なのだか,クリアできなかった。でもまあ,たまにあることだ。自分自身,1歳ぐらい間違えることはある。

世間話を交えながら,少しずつ進めようと考えた。ただ,次第に会話がかみ合わなくなる。

第2問(日付と曜日),第3問(場所)。お子さんの手助けもあったが(本当はいけないのだろうが),クリアできなかった。

これはマズいなあ,さて次はどうしたものかと思いつつ,お子さんとやり取りをしている売主さんを見て,ふとあることに気づいた。

売主さんは,

隣に座っているお子さんのことを,誰だか分からないでいる。

第4問以降はやめることにした。

天気や病院での食事の話をしながら,また本件売買の話に戻すと,本件物件にまつわる思い出話をはじめる。本人しか知りえない内容である。

しかし,

そこに一緒に住んでいた配偶者が亡くなっていることも,

隣に座っているお子さんのことも,

入院前は,そのお子さんと暮らしていたことも,

すっかり忘れてしまっている。

本人であることには間違いない。

本件売買についても,「誰かに売る」ということは分かっている。

しかし,そこまでだ。

売主さんが,買主や売買金額などの取引内容を正常に判断されているのか否か,確信が持てなかった。

ひとまず面談をやめ,病院の受付窓口で事情説明をすると,「診断書を出すとすれば,認知症との記載が入る。不動産取引について正常な判断が出来るか否かは,主治医に聞かなければ分からない。」とのことだった。

決済はもう差し迫っていた。診断書を待ってから「お断り」するのでは遅い。

成年後見制度のことを一通り説明し,その場で結論を出すことを避けて,病院を後にした。

車を運転しながら,受けようか断ろうか,迷い続けた。

もうすぐ事務所に着くというところで,決断した。

コンビニで車を停め,依頼者である買主さんに電話をして「お断り」した。

当然のことながら買主さんはビックリして「先生,そうは言っても何とかならないか。」と言われた。成年後見制度のことを買主さんにも説明したが,「いまさら言われても…。」と困っていた。そりゃそうだ。

しかし,もう自分の中では「お断り」するしかなかった。

早々と事情を聞いていたにも関わらず,判断が直前になってしまったことを深く詫びた。

買主さんも,最終的には理解をしてくれた。

その後,売主さん代理人のお子さんにも電話を入れ「お断り」し,お詫びと,これまでのご協力にお礼を申し上げた。

その後も買主さんとは会う機会があるのだが,

本件のことは話にでない。

このときの判断が良かったと,自信を持って言えるわけではない。

依頼を受けても良かったのではないか,と思うこともある。

面談を終えエレベーターに乗る私に,

深々とお辞儀をされた売主さんの姿が

今も思い出される。

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農地法と仮登記

1.15年前,甲は乙に対し,A農地を売り渡し,乙は甲に対し,売買代金全額を支払った。

2.乙は,A農地につき,農地法第5条の許可を条件とする,条件付所有権移転仮登記をした。

年月が経過…

3.甲と丙は,A農地につき農地法第3条の許可を申請し,許可された。しかし甲と丙の間には,売買契約は存在しない。

4.乙は,A農地につき,丙と売買契約を締結した。

で,ここで依頼が来たとします。

「せんせい~,決済お願いします。」

あなたなら,どうしますか?

ちなみに決済日は明後日です。

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